2005年11月12日

緊張感

ブナを探しに出かけた森でのこと。あぁ、投稿が遅れて、季節はすっかり移ろいましたが。

■「ほれ、見てみろ」と、コナラの木の下に落ちた枯れ枝を指さす案内人のおじさま。

051106コナラの木の下で.jpg

■写真では分かりにくいかもしれませんが・・・・これが何を物語るのか、皆さんは分かりますか?

■「これは、熊が子どもにどんぐりの実を食べさせようと、枝を落とした跡だよ。俺も教えてもらった話だけどさ」とおじさま。どひゃ〜(>。<) ホントかいな・・・・

■「このコナラの木を見上げてみな。あそこに枯れ枝があるだろう?」
■ツキノワグマは、木によじ登り、枝を折ってどんぐりを食べるそうです。

051106痕跡1.jpg
【写真】やや右下、幹の上の枯れ枝に注目。クマが折った枝が幹に引っ掛かったものだとの事。どんぐりを食べる際に枝を折っておしりに敷く「クマだな」よりは小さいらしい。

051106痕跡2.jpg
【写真】枝を折った跡が分かりますか?折れた部分の色から、比較的最近のものだと分かる

■「ほらほら、これが決定的証拠だ!」と得意げなおじさま。確かに幹には、クマの爪痕が残っていました。

051106クマの足跡1.jpg

051106クマの足跡2.jpg

■枝の折れた跡が新しいことも手伝って、ふと周りの森を見渡してしまいました。ツキノワグマがこちらを見つめていないかと・・・・
■もちろん、クマには森で出会いたくありません。僕自身は、熊鈴や熊スプレーを持ち歩いています。
■そして、忘れないように努めているのは、森へ入る「緊張感」。クマの存在を意識するからこそです。

■星野道夫さんという人が大好きです。彼は、アラスカの土地に暮らし、数多くの写真と素敵なエッセイを残しています。思慮深く自然を見つめる著作の中で、「クマの存在を意識して感じる自然の緊張感、その素晴らしさ」を星野さんは書かれていた記憶があります。
■現代では感ずることの少なくなった、自然への畏怖でしょうか。



■ところで・・・・おじさまからはもう一問、出題がありました。これは何の痕跡なのか、分かりますか?難易度が高いと思うのですけど(⌒‐⌒)

051106もう一つ痕跡.jpg

■正解は・・・・フキ(蕗)を採った人が、この場所に座って、茎だけを残して葉を捨てた跡だそうな(・.・;) 恐るべし、案内人のおじさま。

■林縁では、季節外れにほころんだツツジが笑っているかのようでした。

051106ツツジの返り花.jpg

【本ブログ内の関連記事】
■自然のしくみ>(9/18)オニグルミのゆくえ

◎本記事に関連した本をご紹介


小宮 輝之 / 学習研究社(2004/03)

■野外で見つけた足あと、ふん、食べあとなどから、この場所にどのような動物たちが暮らしているのか、知りたいと思ったことはありませんか?■本書は、書店で本棚を物色した際に見つけました。この手の本って、ネットの検索ではなかなか見つからなくて・・・・■子供向けに書かれたであろう図鑑とあって、簡潔な解説に数多くの写真が掲載されています。■裏表紙に印刷されたスケールも憎い。大きさもコンパクトで、野外に持ち出し重宝しそうです。




星野 道夫 / 文藝春秋(1999/03)

■優れた動物写真家でもある星野道夫さんと出逢ったのは、アラスカの自然を捉えた写真が掲載されてはいない、エッセイのみが綴られた本書でした。■撮影機会を得るため、何日間も一人ぽつりとアラスカの大地で見つめたであろう、自然が織りなす生と死、アラスカの風景、著者を取り巻く人々などが、シンプルな文体で紡ぎ出されています。言葉で表現するのが難しいけど、とにかく大好き。■日常に心が荒んだとき、本書を取り出します。星野さんのエッセイを読むことは、森の音にそっと耳を傾けることに似ているのかもしれません。心が澄んでいくのは、何故なのだろう。



◎トラックバック・ピープル:ツリーウォッチング


posted by happyisland at 00:13| 岩手 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 自然のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます、happyislandさん。

思い通りのリアクションをしてくれるhappyislandさんを前に、
得意満面で語るおじさまの姿が目に浮かぶようです。
いいなぁ、そんなステキなおじさまに案内していただけて♪


冗談はさておき、そうですね。緊張感は是非、忘れないで頂きたいですね。

星野さんがどうして、あの、素晴らしい極北の写真を撮れなくなってしまったのか…
と言うことを考えるにつけ、その思いは強くなります。

用心はするに越したことはありせんよ。
事故が起きれば人も動物も傷つくのですから。

それにしても、人の痕跡まで見抜くとは、(^^)
ただ者じゃありませんね、案内人のおじさま♪素敵だわ。
Posted by はもよう at 2005年11月12日 10:48
*はもようさん*

コメントをありがとうございます。その時の様子がお伝えできたようで、とても嬉しいです。

ホント、案内人のおじさまにはとてもお世話になっています。山へ行って経験に基づいて教えてもらえるというのは本当に幸せです。世界が広がります。
時々、どこまで本当なのか、分からないこともあるのですが・・・・(^_^;

そうですね。万全に万全を期して、事故が起こらないように今後も気をつけます。
Posted by happyisland at 2005年11月12日 11:47
こんにちは
そちらも紅葉がきれいですね。
ガイドの方がみたらほんとにいろいろなことがわかるんですね。
星野道夫さんじゃないので、山でクマに遭ったら困ります。

今年はどうなのでしょう?
去年は食べ物がなくてクマが人里まで下りてきましたね。奥多摩や秩父を歩く時には、私もクマベルをつけていました。

星野さんの『長い旅の途上』というエッセイを集めた本を最近読みました。
写真は好きでしたが、お書きになったものを読んだのは初めて!すっかり本もファンになりました。
『旅をする木』も読んでみたいです。
Posted by 池田姫 at 2005年11月13日 15:48
*池田姫さん*

コメントをありがとうございます!

ニュースなどでは、今年は昨年ほどクマ被害のお話は聞かないですよね。種山の森のミズナラやコナラは不作のようでしたが・・・・山によっても豊凶には差があるようで、長い距離をクマは食料を求めて移動することもあると聞いています。

おぉ、星野さんの作品はグッドタイミングだったようですね(^^)『長い旅の途上』は、遺稿集だったと記憶しています。著作は全部好きですが、強いて言えば『ノーザンライツ』の印象が強いかな・・・・

とにかく星野さんの自然観にとても共感するんですよね。またもう一度、読み直してみようかしら。

これからもよろしくお願いいたしますm(__)m
Posted by happyisland at 2005年11月13日 21:52
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