2005年08月28日

アイリス


まっ青に朝日が焼けて
この山上の野原には
濃艶な紫いろの
アイリスの花がいちめん
靴はもう露でぐしゃぐしゃ
図板のけいも青く流れる
詩[種山ヶ原]より


■「アイリス」とは、アヤメ属(Iris)の仲間の総称。ギリシャ語では「虹」。ギリシャ神話では「虹の女神アイリス」として登場するそうな。画家ゲランが描いた[イリスとモルフェウス](←エルミタージュ美術館のサイトへ)には、虹の女神が夢のように降り立つ。
■賢治が残した詩[種山ヶ原]の下書稿には「虹」の言葉も綴られている。

たくさんの藍燈で照明された
掬やいたやの巨きな青い緑廊(パーゴラ)を
水はつめたく渉ってくる
照明の下ではレンズになってほのほをあげ
またプリズムが虹や反射の光を射たり
陰影では石油に変ったり
たのしくたのしくこの谷水はながれてくる
詩[種山ヶ原(下書稿一)]より


■美しく儚い虹。種山ヶ原の藍燈から生まれた虹に、賢治は何を想ったのだろうか。



Iris ensata var. spontanea_Fup.jpg

【写真】ノハナショウブの花。アヤメ属の仲間だ。


Iris ensata var. spontanea_all.jpg

【写真】ちなみに賢治は、かきつばたの花を折ってきたと下書稿で記している。花の中央、くさび状の斑紋が、カキツバタは白、ノハナショウブは黄である。花が疲れてくると、ノハナショウブの斑紋も白っぽくなる気がするけれども。


■ノハナショウブ(野花菖蒲)
■学名:Iris ensata var. spontanea
■別名・方言:
■アヤメ科アヤメ属
■撮影地:岩手県

update:2005-08-29
posted by happyisland at 23:55| 岩手 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 賢治が紡いだ花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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