2006年11月23日

ホタルブクロ


 そのまっ黒な、松や楢の林を越えると、俄かにがらんと空がひらけて、天の川がしらしらと南から北へ亘ってゐるのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけられたのでした。つりがねさうか野ぎくかの花が、そこらいちめんに、夢の中からでも薫りだしたといふやうに咲き、鳥が一疋、丘の上を鳴き続けながら通って行きました。
[銀河鉄道の夜]より



ホタルブクロを見上げて


■まず、名前に惹かれる。ホタルブクロの花が提灯に似ているから「火垂る袋(火垂は提灯の古語)」と呼んだ説と、蛍をつかまえてこの花の中に入れて遊んだから「蛍袋」と呼んだ説があるそうだ。
■どちらが正しいのかは分からない。ただ、蛍をホタルブクロへ入れたら美しい提灯になりそう。幻想的だ。

■私の住む町では、ホタルブクロを「アメフリカッコウ」と年上の方々は呼ぶ。アメフリカッコウとは、カッコウ(郭公)の鳴く梅雨の頃にホタルブクロが咲くからだと聞いた。
■花の佇まいが想像できる素敵な名前だと思う。

アメフリカッコ



■ホタルブクロ属の学名であるCampanulaは「小さな鐘」の意。
■そう、『銀河鉄道の夜』で、異境の地へ旅立ってしまうのは「カムパネルラ」だ。
■ひょっとして!かつて、ホタルブクロの属名から「カムパネルラ」と賢治は名付けたのかと、少々興奮したことがある。
■ところがどっこい、「カムパネルラ」の由来には諸説こもごもあるとのこと。賢治作品からは様々な夢がふくらむ。

■「夢の中からでも薫りだした」ホタルブクロ。確かに、梅雨も終わる頃、野に咲くホタルブクロに出逢うと、現実とは別世界へ来た感覚に陥ったりする。そんな瞬間が心地よい。

ひっそりと





■ホタルブクロ(蛍袋)
■学名:Campanula punctata
■別名・方言:アメフリカッコ(ウ)
■キキョウ科ホタルブクロ属
■撮影地:岩手県

ラベル:ホタルブクロ
posted by happyisland at 00:51| 岩手 ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | 賢治が紡いだ花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。相変わらずロマンチックですねー。
蛍を花の中に閉じ込めて灯りとして使うなんて、もうくらくらするほどロマンチックです。そんなことをホタルを見ながら、女性にささやいたりしたら・・・いろいろうまくいきそうですけど。

夏にやってみたいです。ホタルブクロが咲く梅雨にホタルもいるということですか?
Posted by Honey Queen at 2006年11月23日 17:04
*Honey Queenさん*

どーも!お久しぶりです。お返事が遅くてすみませんm(__)m

Queenさんにそう言われると、試す価値アリ!ですねぇ。ささやいてみようかな(^^)

なるほど、するどい!『銀河鉄道の夜』の季節は気にしていたんですけど・・・・(引用した「つりがねそう」は、ツリガネニンジンかも)。蛍とホタルブクロとの時期の一致は考えていませんでしたよ。

あくまで図鑑に載っている「植物の名前」なので、全国的に蛍とホタルブクロとの時期が一致するかどうかは分かりません。

で、我が町のデータを。
うめっちさんに蛍を見た時季を教えてもらったところ、7月上旬でした。職場から家まで帰る途中でも、蛍をちらほらと見ることができます。
ホタルブクロについては、僕自身、里では見たことがないんですよね(^^;)ちょっと標高の高いところで、記事の写真を撮ったのは7月上旬。
というわけで、一致してました。残念ながら、蛍とホタルブクロの花を同所では見ていませんけどね。

もうちょっと、蛍については調べてみたいところですね。
Posted by happyisland at 2006年11月27日 00:50
こんにちは、happyislandさん。
この間、長々コメント打ったのは結局消えちゃってたのね。(しくしく)

ホタルブクロに蛍を入れたらどうなるか画像は、net検索で見られます。
花の口をしめておくのが難しいようです。
ググってみてください。なかなか幻想的ですよ。

(‘o‘)ノ 子どもの頃やりました!という、
ものすごくうらやましいコメントを見たこともあります。
種山でも、どこかに経験者がいらっしゃるかもしれませんね。

ただ、映像では綺麗でも、蛍がよく飛ぶ晩は不快指数の高い夜。
彼女ウケするかどうかは ケースバイケースでしょうね。
Posted by はもよう at 2006年11月27日 14:10
*はもようさん*

いつもコメントをありがとうございます(^o^)/

せっかくのコメントが消えてしまったのですね。なぜだろう?ブログの調子が悪いのかな・・・・残念。

ググって見ましたよ!確かに幻想的ですねぇ。情報をありがとうございます。

で、肝心の、女性にささやけるかどうかですが・・・・(^_^;

うちの地域で蛍自体と出逢うことは、そう難しくないと思います。経験的ですけど、個体数は少ないとはいえ、時季になれば、ふらふらと夜に飛んでいますので。

難しいのは、ホタルブクロの花と蛍との距離だと感じます。きちんと調べてはいないのですが、蛍の飛ぶ里で、ホタルブクロの花を見たことが無いのですよね。川沿いや水辺にホタルブクロが咲くイメージも湧きません。

蛍の光が舞う幻想的な川辺で、女性にささやいた方が現実的かな?と思ってしまいます(^_^; ただ女性は、想像を超えたプレゼントに弱い傾向もあるので、蛍を見るだけではダメかもしれませんね・・・・労力を惜しまないことが必要かしら。
Posted by happyisland at 2006年11月27日 23:19
*自己レスです*

個人的には、「あめふりかっこ」という地元の呼び方が一番好きだったりします。図鑑に載る標準和名は、牧野先生の図鑑などの影響が強いのかな?とも思いますし、その地域固有の呼び方って、暮らしと自然との関係が薄れつつある今、消えゆく運命にあるとも感ずるからです。

地元の年輩の方にしろ、「俺は正式な植物の名前(=図鑑に載っている名前)を知らないから・・・・」とおっしゃったりします。
標準和名って、あくまで「標準」和名ですし、地元の呼び方には、その地域の植物との関係がよく表現されていて素敵だと思うのですけどねぇ。

う〜ん、これは一ネタになりそうだな。
Posted by happyisland at 2006年11月27日 23:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。