2006年03月25日

動物のフンの見分け方

先日投稿した「森の案内人講座」でのコアなお話を。それは、動物のうんちのお話(^_^;

うんちのお話

■下記参考書によると、動物の糞は、分類学で言う「目」レベルの特徴をよく現すそうです。胃腸や肛門が「目」レベルで似ているから、同じような糞をするとの事。
■糞は、その場所に動物が暮らすという重要な証拠ですよね。落とし主を見分けられれば、想像も膨らみます。

■それでは・・・・食事中やその前後の方は、ど〜んと写真がありますのでお控えなさって下さいm(__)m

■問題です。偶然にも同じ場所にあった動物のフン。それぞれ何のフンでしょうか?

動物のフン4種類.jpg


<答え>
@キツネ
■ノネズミなどを主に食べるようですが、果実も食べるそうです。
■今回見たフンの中には、野ねずみの毛や歯が多く含まれていました。

キツネのフン
【写真】キツネのフンのアップ。白く見えるのは、ノネズミの歯かな?

■キツネのフンは、イヌやタヌキのフンに似ているそうです。見分け方を。
 ・タヌキ:貯めフンをする(キツネとイヌのフンは一個だけ落ちている場合が多い)
 ・キツネのフン:野ねずみの毛や歯が含まれていることが多い
 ・イヌのフン:ドッグフードを食べているため、白っぽいことが多い

イヌのフン
【写真】これがイヌのフン。キツネのフンに比べて、やや白っぽいかな?


Aテン
■普段は肉食。ただし秋になると、木の実を食べることが多くなるそうです。
■フンには果実のタネの破片が入っていることも。里では、柿の木に登って食べる姿も見られるそうな。

テンのフン
【写真】タネの破片の様なものが、フンの中に混じっていました

■テンは、基本的に肉食なので、果実をうまく消化できないそうです。形がそのまま残ったフンも多く見られるようですよ。


Bイタチ
■99%肉食。フンには毛が入っている場合が多いそうです。
■この写真のフンは雄のもの。ニホンイタチは、世界的にも、雄と雌との体の大きさの違い(性的ニ型)が最も大きく、雌は100g程度しかないほど体サイズが小さいそうな。よって、雌のフンはずっと小さい。

イタチのフン
【写真】上の写真のアップ。実はこのフン、ほどいてしまっています。本で調べると、魚を食べた後のフンのような気もしますが・・・・何を食べたのでしょう?

イタチのフン2
【写真】森の中では、この様なイタチのフンが見られました。出来たてホヤホヤ?(^-^;

■ちなみに雌のイタチは、ほとんど野外で観察できません。講師の方が研究で捕獲した際、100匹のうち1匹捕まるかどうかだったそうです。雄と雌の個体数は同程度と考えるため、本当に不思議な現象ですが・・・・理由は分かっていないとの事。


Cウサギ
■ころころして可愛いフン。ウサギのものです。
■ウサギのフンは、最初は軟便。お尻の穴に口を持っていって食べてしまうそうです。講師の方は、「糞食(粉飾)決算だ!」と言ってました(^o^;
■胃は一つで、植物繊維を一度では分解できません。長い盲腸に細菌を飼っていて、もう一度フンを食べることでミネラルを吸収するそうな。

ウサギのフン
【写真】分解してみると、ヤマブドウのタネが入っていました!植物繊維で出来たフンは、ちょっぴり甘い匂いがしましたよ

ウサギの足跡とフン
【写真:森の案内人Kさん提供】足跡とともに残されたフン。この場所で、お尻に口を持っていって糞食決算したのかな・・・・



■いやはや、動物のうんちも面白く奥深い(⌒‐⌒) いろいろな事が分かるものですね。説明していただいたA先生、ありがとうございましたm(__)m


【本ブログ内の関連記事】
■県北のフィールドから>(06/03/09)鞍掛山雪上散策
■自然のしくみ>(05/11/12)緊張感
■自然のしくみ>(05/09/18)オニグルミのゆくえ


◎フィールドサインに関する本をご紹介


今泉 忠明, 平野 めぐみ / 東京堂出版(2004/03)

■森林インストラクターであるnekogusuさんに教えていただきました。■「事典」という名のとおり、自然をより深く楽しむための知識や、フィールドに残された動物の痕跡がとても詳しく書かれています。絵もふんだんに載っているので、「事典」と言えど、取っつきやすい。■大きさゆえ、フィールドに持ち歩くというよりも、一つ一つ読み切りで項目立てされた解説を、家でじっくり読み進むことになりそう。■内容はかなりマニアック(?)なので、野生動物について詳しく知りたい方にオススメです!




小宮 輝之 / 学習研究社(2004/03)

■野外で見つけた足あと、ふん、食べあとなどから、この場所にどのような動物たちが暮らしているのか、知りたいと思ったことはありませんか?■本書は、書店で本棚を物色した際に見つけました。この手の本って、ネットの検索ではなかなか見つからなくて・・・・■子供向けに書かれたであろう図鑑とあって、簡潔な解説に数多くの写真が掲載されています。■裏表紙に印刷されたスケールも憎い。大きさもコンパクトで、野外に持ち出し重宝しそうです。



※種山の森がきっかけで教えていただいた本は、ふみぐら@種山ヶ原にまとめています。
(現在、83冊収集)
posted by happyisland at 23:35| 岩手 | Comment(5) | TrackBack(0) | 自然のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
happyislandさん、お久しぶり〜(^^)/

”コアなお話”って、動物のフンのことだったのね。
さすが、野生の動物がいっぱい居る場所だわ。

街中じゃ、お行儀悪い飼い主が置いていったわんちゃんのしか見られませんもの。
野草を見たい私には辛い落とし物です。


同じでも キツネ、テン、イタチ、ウサギのなら興味津々♪
へぇ〜、いろいろ違うんだ。
何食べたのか解れば、暮らしの様子がかいま見られますものね。
野ねずみ、お魚、木の実、草の実…みんな元気に生きてるな。
よしよし(^^)なんてね。

おもしろかったです。
また教えてくださいね。
Posted by はもよう at 2006年04月07日 11:41
*はもようさん*

いつもコメントをありがとうございます。

動物のフンは面白いですよねぇ。はもようさんがおっしゃる通り、暮らしの様子がかいま見られますよね。素敵な表現だ。メモメモφ(・_・)

キツネのフンなんかは、エキノコックスが本州でも報告されているようで、気をつけなければいけないようです・・・・

今後とも、遊びにいらして下さいね(^O^)/
Posted by happyisland at 2006年04月11日 01:15
はじめまして。宮本と申します。
先日玄関ドアを開けたど真ん中に見た事のない糞がありました。
よく見ると、木の実だらけの糞で、猫の糞より少し小さいです。気になって気になって仕方ありません。写真も撮ってあるので、是非見て頂きたく、突然コメント欄から失礼させて頂きました。
宜しくお願いします。
Posted by 宮本 万左子 at 2011年05月25日 23:43
山の展望台周辺にいくつも見つけるのですが、、枝や葉で鳥の巣のように丸めた中をほじくると、何かの動物の糞が真ん中にあります。上からは見えません。糞が他の動物に見つかると悪いのか、枝や葉でカムフラージュしているのかと思います。同じ場所にいくつもあります。あまりにきれいに枝や葉で覆われていて、動物が器用なことができるのだと思います。何の糞なのか知りたいのですが、もしわかれば教えていただけないでしょうか?大きさは、小型犬の糞くらいでしょうか。
よろしくお願いします。
Posted by 山の住人 at 2013年01月09日 15:21
Excellent stuff, was a very helpful info 窶� thx!
Posted by cheap beats by dre at 2013年05月10日 00:38
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